小さな会社が海外で勝つには?越境ECサイトでマーケティングより大切な〇〇の話

小さな会社が海外で勝つには?越境ECサイトでマーケティングより大切な〇〇の話

はじめに:なぜ今、中小企業に越境ECが求められているのか

日本の市場は、少子高齢化と人口減少の影響で縮小傾向にあります。国内だけを相手にしていたビジネスモデルが徐々に通用しなくなってきている今、海外市場に目を向ける企業が増えてきました。

特に注目されているのが、越境EC(海外向けのECサイト)です。以前であれば「海外進出」というと大企業しかできないイメージがありましたが、現在は小規模な会社や個人事業主でも、インターネットを通じて気軽に世界へ販売できるようになりました。

それでも、こうした不安を抱える方も多いのではないでしょうか。

  • 海外マーケティングの知識がない
  • 語学力に自信がない
  • うちは小さな会社だし、相手にされないのでは

こうした悩みはごもっともです。しかし実際のところ、海外で成功している中小企業には、共通した“ある強み”があります。それは、意外にもマーケティングや資金力ではありません。

結論:越境ECで最も重要なのは「信頼」です

大企業のように多額の広告費を使って集客するのは、確かに効果的です。しかし越境ECにおいては、広告だけではなかなか売上に結びつきません。なぜなら、海外ユーザーにとっては「相手がどんな会社なのかまったくわからない」状態だからです。

特に初めて日本の企業から商品を購入するお客様にとっては、

  • 本当に商品が届くのか
  • クレジットカード情報を入力しても大丈夫か
  • 問い合わせしても返事が来るのか

といった不安がつきまといます。こうした不安を払拭する「信頼」がなければ、どれだけ広告を見ても購入にはつながりません。実際、越境ECで売れているのは、「安心感があるサイト」や「丁寧に対応してくれる企業」であることが多いのです。

信頼を高めるために必要な5つのこと

1. 多言語対応のECサイトを用意する

まず最初に取り組みたいのが、サイトの多言語対応です。英語はもちろん、ターゲット地域に合わせて中国語やベトナム語、スペイン語なども検討するとよいでしょう。

Google翻訳のような自動翻訳に頼るのではなく、できるだけ自然な言い回しに調整することが大切です。伝わりにくい表現や不自然な言葉づかいは、それだけで信頼を損ねてしまいます。

2. 商品情報を詳しく丁寧に記載する

越境ECでは、ユーザーが実際に商品を見ることができないため、商品ページの内容が非常に重要です。以下のようなポイントをしっかり押さえましょう。

  • 写真は複数(できれば5枚以上)
  • 素材・サイズ・使用方法の明記
  • 梱包状態や発送予定日、関税についての説明
  • 英語での簡単な注意書き(例:This item is not waterproof など)

3. レビューやお客様の声を活用する

「他の人が買って良かったなら、私も安心して買える」
これは日本国内でも同じですが、海外ではさらにレビュー文化が根づいており、初回購入における判断材料として非常に重視されています。

最初のうちは、知人に使ってもらってレビューを英語で書いてもらったり、モニター提供でフィードバックを集めたりするのも効果的です。

4. SNSでの発信を地道に続ける

Instagram、Facebook、TikTok、X(旧Twitter)などを通じて、日々の取り組みや商品へのこだわりを発信しましょう。フォロワー数が少なくても問題ありません。海外ユーザーにとっては「実在する会社なんだ」というだけで安心材料になります。

できれば、現地語で簡単な投稿ができるとさらに効果的です。

5. 問い合わせ対応はスピードが命

海外のユーザーから英語で問い合わせが来ることもあります。自動翻訳ツールを活用すれば、完璧な英語力がなくても対応は可能です。

大切なのは、「なるべく早く返信すること」と「丁寧に対応すること」。時間帯の違いもありますが、24時間以内の返信を心がけるだけで信頼感は大きく変わります。

信頼の積み重ねが“広告費ゼロ”でも売れるブランドを作る

これまでに複数の越境ECサイトの制作・運営に携わってきましたが、その中でも長く売上を伸ばしている企業には共通点があります。

それは、広告に頼らず、丁寧な対応や誠実な情報発信を続けたことです。

  • 海外からの問い合わせに必ず返信する
  • 小さな注文でも心を込めて梱包する
  • 現地の文化やニーズを勉強する

こうした地道な積み重ねが、少しずつファンを生み、やがて口コミが広がり、ブランドとして認知されていきます。

いわば「広告戦」ではなく「信頼戦」。この戦い方こそ、小さな会社が海外市場で勝つための現実的な方法です。

まとめ:小さな会社でも“信頼”があれば世界で売れる

マーケティングは確かに重要です。しかし、信頼がなければその効果は半減してしまいます。

  • サイトの言語対応
  • 商品情報の透明性
  • 丁寧なカスタマー対応
  • SNSでの顔の見える発信
  • そして、なによりも誠実な姿勢

これらをコツコツと積み上げていくことで、大企業には真似できない「小さな会社ならではの強み」が形になっていきます。

「うちみたいな会社が海外なんて無理だろう」と思っていたとしても、信頼をベースにした越境ECなら、その壁を乗り越えることができます。

今日からできることを一歩ずつ。海外の顧客と信頼を育てることが、あなたの会社を世界につなげる第一歩になります。

この記事を書いた人

福田 圭亮

(越境ECサイト制作エンジニア・フリーランス)

フィリピン在住。
海外経験8年以上、エンジニア歴5年以上。
元トップセールスマン(NTTネット回線販売で全国1位)
エディオンで17店舗のエリアマネジャーを経験
海外在住の強みを活かし、越境ECサイト・多言語サイトの構築を専門としています。
企画・デザイン・開発・翻訳・マーケティング支援まで一貫対応。
東南アジアマーケット(特にフィリピン)に精通しています。
中小企業・個人事業主の「海外へ売りたい」を全力でサポートいたします。

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