日本語だけのECから越境対応にしたら海外売上が増えた話

多くの日本企業は、ECサイトを日本語のみで運営しています。最初は「日本国内のお客様向けにしっかり対応したい」「英語対応は難しそう」と感じるかもしれません。
しかし、ある小さな日本の工房が「多言語対応+越境EC」に切り替えたことで、売上の約30%を海外から獲得できるようになった事例があります。
今回は、そのリアルな変化と学びをご紹介しましょう。
1. 背景:月商30万円の“国内専用EC”
ある地方の伝統工芸品を扱う小規模な工房。職人2名と事務スタッフ1名で運営されており、楽天と自社EC(日本語のみ)で国内販売を続けていました。
売上は安定して月30万円前後。しかし伸び悩みが続き、「これ以上国内では広がらない」という感覚があったそうです。
2. 海外からの“たまたま”の問い合わせ
ある日、英語で1通のメールが届きました。
“Do you ship to Canada?”
カナダ在住の日本文化ファンが、偶然SNSで工房の作品を知り、サイトを見つけて連絡してきたのです。
ここで初めて「海外にもニーズがあるのでは?」と気づいた職人さんたちは、英語ページの必要性を感じ、越境ECへの第一歩を踏み出す決断をしました。
3. 実施した3つの施策
(1) Shopifyで多言語対応サイトを新規構築
- 既存サイトは国内専用だったため、新たにShopifyで英語ページを中心に構築。
- 商品名・説明文・配送案内・FAQなど、全て英語化。
- 翻訳はプロに依頼せず、簡易的に意訳+翻訳ツールを活用。
(2) 決済・配送方法の見直し
- クレジットカード・PayPal対応を導入
- 配送はEMSやDHLを選択肢として設定
- 送料・関税の目安を明記し、問い合わせ対応の手間を減らした
(3) SNSとレビューの活用
- Instagramで英語投稿を開始(週1〜2回)
- 海外からの注文者にレビュー依頼
- レビューはスクリーンショットを載せて信頼性を可視化
4. 結果:海外売上が全体の約30%に
越境EC対応から6ヶ月後、以下の変化がありました:
- カナダ、アメリカ、オーストラリアからの注文が増加
- 平均客単価は国内の1.5倍以上(贈答・コレクション需要)
- 売上は月30万円→45万円、うち約30%が海外から
初めての海外発送は不安も多かったそうですが、「慣れれば国内発送と大差ない」と感じるようになり、むしろ海外顧客の方が丁寧で感謝の言葉が多かったとのこと。
5. 成功のカギは「完璧を目指さない」こと
この工房が成功した最大の要因は、「完璧な翻訳」「完璧な体制」を目指さなかったことにあります。
- 完全な英語じゃなくても意訳で十分伝わる
- 海外配送も最初はEMSだけでOK
- 問い合わせ対応はChatGPTを活用
“まずはやってみる”というスタンスで始めた結果、海外顧客はむしろ温かく迎えてくれたのです。
まとめ:越境対応は“特別なこと”ではない
今回の事例から分かるのは、越境ECは大企業だけのものではなく、たった3人の工房でもできる“現実的な選択肢”であるということです。
英語が完璧でなくてもいい。配送がスムーズでなくてもいい。大切なのは、「海外に届けたい」という姿勢と、ほんの少しの準備です。
あなたのECサイトも、ほんの少しの変化で、世界とつながる未来が開かれるかもしれません。
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